縦隔原発骨外性骨肉腫の1例
鎌仲 貴之a 宮原 隆成b 堀田 順一b 鈴木 敏郎c 小泉 知展c 上原 剛d
a長野県厚生連長野松代総合病院一般科
b同 呼吸器内科
c信州大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科
d同 臨床検査部
症例は83歳男性.上行結腸癌術後の定期受診時の胸部コンピューター断層写真(CT)にて中縦隔に80 mm大の石灰化を伴う腫瘤を認めた.コンベックス走査式超音波気管支鏡を用いて超音波ガイド下針生検を施行した.破骨細胞を伴った肉腫がみられ,行った免疫染色(cytokeratin,smooth muscle actin,S-100)はいずれも陰性であり,KP-1が陽性のため悪性線維性組織球腫と診断した.放射線治療を施行し原発巣の増大は認められないものの,腸間膜に転移,全身状態が悪化し腫瘍死した.病理解剖による最終病理診断は骨外性骨肉腫であった.骨外性骨肉腫は下肢に好発するが中縦隔原発の報告例は散見される程度にすぎない.今回我々は縦隔腫瘍に対しコンベックス走査式超音波気管支鏡による針生検を施行したが,診断に難渋した症例を経験したので報告する.
縦隔腫瘍 骨外性骨肉腫 石灰化 放射線治療 コンベックス走査式超音波気管支鏡
Received 16 May 2011 / Accepted 11 Nov 2011
連絡先:宮原 隆成
〒381-1231 長野市松代町松代183
長野県厚生連長野松代総合病院一般科
日呼吸誌, 1(3): 197-200, 2012