持続陽圧呼吸療法機器使用者の自覚的残存眠気の検討
田中 春仁a 西尾 洋美a 山本 浩彰a 坂名 智b 山本 勝徳b 小池 茂文b
a岐阜メイツ睡眠障害治療クリニック
b豊橋メイツ睡眠障害治療クリニック
閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対する持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure:CPAP)療法機器使用者619人の2年間の調査から,エプワース眠気尺度(ESS)11点以上の残存眠気を継続して訴えた患者は8人(1.3%)であった.またCPAP機器使用者1,161人の中で,外来診療では原因が特定できなかった残存眠気症例12人に,CPAP機器装着下に終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG),そしてCPAP機器装着下に反復睡眠潜時検査(MSLT)を施行した.睡眠呼吸障害が残存するか,または周期性四肢運動障害が合併した4人を除外した8人の検討では,平均睡眠潜時(MSL)が8分より高値な群は,MSLが8分以下の群より,年齢が有意に高かった.CPAP機器使用者の残存眠気評価には,時間経過,過眠症の合併,年齢,個体差など多様な病態を考慮すべきである.
閉塞型睡眠時無呼吸症候群 持続陽圧呼吸療法 残存眠気 反復睡眠潜時検査 過眠症
Received 30 Aug 2011 / Accepted 5 Dec 2011
連絡先:田中 春仁
〒500-8384 岐阜市薮田南4-15-20
岐阜メイツ睡眠障害治療クリニック
日呼吸誌, 1(3): 175-181, 2012