術前CTガイド下マーキングを契機に空気塞栓症を発症した3症例
森 勇樹a 山田 玄a 汐谷 心a 藤井 偉b 渡辺 敦c 高橋 弘毅a
a札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
b手稲いなづみ病院内科
c札幌医科大学医学部呼吸器外科学
術前CTガイド下マーキング後に空気塞栓症を発症した3例を経験した.症例1:54歳,男性.すりガラス影のマーキング後に左半身の脱力と構音障害が出現し,CTで上行大動脈内に空気像を認めた.症例2:64歳,女性.結節影近傍にマーカー刺入中に突然深吸気を行った.左上肢の脱力が出現し,CTで下行大動脈内に空気像を認めた.症例3:77歳,男性.結節影近傍にマーカー刺入中に咳嗽が出現した.両手指のしびれが出現し,CTで上行大動脈から大動脈弓部に空気像を認めた.本処置後は空気塞栓症の合併を常に考慮すべきである.
Received 20 Oct 2015 / Accepted 24 Feb 2016
連絡先:森 勇樹
〒060-8543 北海道札幌市中央区南1-16
札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
日呼吸誌, 5(4): 226-229, 2016