ショートハイドレーション法によるシスプラチン併用化学療法の検討
興梠 陽平a,* 吉岡 弘鎮a 國政 啓a,b 西山 明宏a 岩破 將博a 坪内 和哉a,c 小西 聡史a,d 福田 泰a 伊藤 明広a 石田 直a
a倉敷中央病院呼吸器内科
b神戸大学大学院医学研究科生理学・細胞生物学講座遺伝学分野
c聖マリア病院呼吸器内科
d京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
*現 京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
ショートハイドレーション法によるシスプラチン投与の安全性と外来移行の成否について,後ろ向きに検討した.対象は,2009年11月から2010年10月に治療を開始した胸部悪性腫瘍患者71名である.嘔気,嘔吐,血清Cr値上昇のうちGrade 3以上のものはそれぞれ5.6%,0%,0%と毒性は軽度であった.また,2コース目以降の外来移行を試みた57例のうち,44例(77.1%)が外来移行可能であった.結論として,ショートハイドレーション法でも安全にシスプラチン投与でき,多くの症例で外来移行が可能と思われた.
肺癌 ショートハイドレーション法 シスプラチン 外来化学療法
Received 30 Apr 2013 / Accepted 19 Jul 2013
連絡先:興梠 陽平
〒710-8602 岡山県倉敷市美和1-1-1
倉敷中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 2(6): 730-736, 2013